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【R-指定】狂気なヒップホップ愛と妙な親近感を持つ漢【変態な天才】
今回のテーマはR-指定(あーるしてい)。
今更説明するまでもないでしょうが、2人組ヒップホップユニット「Creepy Nuts(クリーピーナッツ)」のMCですね。
もちろんクリーピーナッツも大好きなんですけど、そのMCであるR-指定が本を出版しているではありませんか、こりゃ読まな。
ということでね、今回はR-指定の本『Rの異常な愛情-或る男の日本語ラップについての妄想-』の内容を掻い摘んで、R-指定のこと・ヒップホップのことを、私の私見もちょっぴり交えて書いていきたいなと思います。
R-指定はクリーピーナッツのMC、相方はDJ松永
R-指定(あーるしてい)は、2人組ヒップホップユニット「クリーピーナッツ」のMC。
ロン毛にヒゲ、どう考えてもサラリーマンじゃないだろうなっていう見た目の方がR-指定です。
- 大阪府堺市出身
- 1991年9月10日生まれ
- MCバトル全国大会優勝(3連覇)
- 怪談話マニア
- 黒いTシャツか黒いパーカーばかり着る
オシャレには全く興味がないらしくて、着ているのはいっつも黒いTシャツか黒いパーカーばかり。
確かに「R-指定」と検索して出て来る画像は黒っぽいTシャツ率がかなり高め。
今や売れっ子のR-指定、好きな服を好きなように買える財はあるでしょうに、黒いTシャツ・黒いパーカーを着続けるブレないスタンス、好きです。
ただならぬ才能と実力を持ちながら、服装には無頓着というのがいかにも天才っぽい雰囲気を感じます。
ロン毛・ヒゲ・黒っぽい服、R-指定はこれでいいんです。これがいいんです。
ちなみにクリーピーナッツでの相方はDJのDJ松永(でぃーじぇーまつなが)で、このDJ松永もDMC WORLD DJ CHAMPIONSHIPS 2019優勝(世界一)というとんでもない肩書をぶら下げているんですよね。
R-指定が気になったら『Rの異常な愛情』を読め
冒頭にも書いた通りR-指定は本を出していて、タイトルは『Rの異常な愛情-或る男の日本語ラップについての妄想-』。
R-指定好きには是非読んで欲しい1冊で、「好きこそものの上手なれ」ということわざの通り、R-指定のヒップホップ愛と熱量・知識に圧倒されます。
本の内容はR-指定が原稿を書き下ろしたものではなく、とあるトークイベントの内容を文字に起こしたもので、本というよりは議事録みたいな雰囲気ですね。
- ヒップホップとの出会い
- 影響を受けたアーティスト
- R-指定の人間性
ざっくりと本の内容はこんな感じ。
トークイベントを文字起こししたスタイルで、書き言葉ではなく話し言葉なのでスラスラと読みやすいのと、R-指定の声とテンションがしっかりと脳内で再生されることでしょう。
R-指定は超一流のヒップホッパー・ラッパーでありながら、超ド級のヒップホップオタクであり、マニア・オタクというよりは変態に近い領域にいるように感じます。
ちなみに私はR-指定と年齢が結構近くて、R-指定が1991年生まれで私は1987年生まれ。
そのせいもあって、『Rの異常な愛情-或る男の日本語ラップについての妄想-』に登場するラッパーやアルバム・曲が10代の頃よく聴いていたものばかりで、R-指定に親近感が湧くとともに、リリックの考察を聞くと「はーん、なるほどねー」と新しい発見があり非常に楽しかったですね。
クリーピーナッツ・R-指定好きで、しかも年代近い方はより一層楽しめると思います。
SOUL’d OUTが「R-指定」ヒップホップ人生の始まり
R-指定のヒップホップ人生、それは中一のとき家族で訪れたなか卯で始まります。
なか卯の店内BGMで流れてきたSOUL’d OUTの『1,000,000 MONSTERS ATTACK』。
「アッオウ!アッオウ!」と正直意味のわからない掛け声のようなリリックから始まるあの曲、当時主にJ-POPを聴いていたR-指定は、怪鳥の鳴き声のようなイントロのこの曲に衝撃を受けたそうです。
これをキッカケにヒップホップに興味を持って、彼はヒップホップ沼にハマっていくのです。
SOUL’d OUTの『1,000,000 MONSTERS ATTACK』がなか卯での食事にふさわしい曲はどうかはさておき、もしあのときSOUL’d OUTが流れていなけば・・・。
なか卯、マジでファインプレー。
R-指定はSOUL’d OUT好きを公言
2000年代頃ですかね、私がヒップホップを結構聴いていた時期のこと。
SOUL’d OUTは普通にカッコイイアーティストなんですけど、当時はキングギドラの『公開処刑』でKDUB(ケーダブ)がディスっていたこともあって、ヒップホップ好きの友人達には何だか好きと公言しにくいアーティストだったんですよね(失礼)。
SOUL’d OUTのあの日本語と英語とよくわからない言葉を流れるようにラップスタイルは、日本語ラップに重きを置くKDUBとは合わないでしょうね。
今になって調べてみると、当時は私の周りやKDUBだけでなく、SOUL’d OUTに対する拒否感みたいなものは結構あったみたいですね。
ただですね、今やヒップホップ界の顔となりつつあるR-指定が自身のラジオでSOUL’d OUT好きを堂々と公言してくれたおかげで、「あ、堂々とSOUL’d OUT好きって言ってもいいんだ」と感じたのは私だけじゃないはず。
リリックの意味はよくわからんし聞き取りにくいし、難しすぎてカラオケで歌えないんですけど、とにかく聴いてて耳が気持ちいいんですよね、SOUL’d OUTは。
ちなみにRー指定によるDiggy-MO’(ディギーモー)モノマネは傑作、まじで似てる。
R-指定が影響を受けたアーティストが自分とドンピシャ
『Rの異常な愛情-或る男の日本語ラップについての妄想-』には、R-指定が影響を受けたヒップホップアーティストが数多く登場します。
- Zeebra
- SHINGO★西成
- 餓鬼レンジャー
- 般若
- THE BLUE HERB
- RHYMESTER
登場するラッパーが1987年生まれの私にとってドンピシャ、めっちゃ聴いてた。
当然Rー指定もその辺のラッパーの影響は強いようで、クリーピーナッツの楽曲は「この辺感」が強いんですよ。
R-指定に魅力を感じるのは、同じ世代という親近感の影響もあるんでしょうね。
般若の『やっちゃった』なんて、中高生男子が確実にハマるであろう要素満載で、J-POPでは確実に表現できないであろう下品でアウトローでくだらないリリックなのに韻はしっかりという憎い1曲で、『やっちゃった』が収録されていた『根こそぎ』はめっちゃ聴きました。
『花金ナイトフィーバー』も、イントロの不気味なハイテンション&下ネタ多めで中高生男子の心をガッチリ。
般若の『根こそぎ』は何気に名盤だと思っています。
R-指定はライムスター大好き
R-指定はRHYMESTER(ライムスター)の影響をめちゃめちゃ受けていると思われ、特にリリックにそれが表れていて、不良っぽくない感じとユーモアと等身大の少しダサイ自分を出している部分にライムスターの影響を感じます。
「『ザ・グレート・アマチュアリズム』を聴いて、俺みたいなやつもラップしていいんや!」と『Rの異常な愛情-或る男の日本語ラップについての妄想-』に書いてあって、ヒップホップに興味を持ったのはSOUL’d OUTで、ラッパーとしてプレイヤー側になるキッカケをつくったのはライムスターのようですね。
ちなみに『ザ・グレート・アマチュアリズム』が収録されているライムスターの名盤『グレイゾーン』は私も大好きで、ヒップホップに興味のなかった友人に「これ聴いてみ?」と『グレイゾーン』を貸してヒップホップ沼に引きずり込んだのは一人や二人ではありません。
どの曲もメッセージとユーモアがあって、世相を皮肉っていたり等身大の自分を語っていたり、J-POPではできないヒップホップの魅力を詰め込んだようなアルバムなのです。
オラオラしていない曲ばかりなので、アングラ・ダーティーが苦手な人用のヒップホップ入門にはもってこいでしょう。
THE BLUE HERBは難しい
R-指定が崇拝する「THE BLUE HERB」、リリックが難解すぎて当時10代の私には全く理解できませんでした。
R-指定の解説によれば、ブルハは韻の踏み方が上級者。
小節の最後や語尾で韻を踏んでいくのが定番なライムですが、THE BLUE HERBは小節途中で韻を踏んでいく。
そしてリリックの内容も壮大。
R-指定の考察を読んでいるとなんとな~く理解できるような気がして、久しぶりにCDを探し出して聞いてみたけどやっぱりよくわかりませんでしたね。
R-指定がTHE BLUE HERBを聴くとき、部屋を閉め切って歌詞カード片手に正座しながら聴くらしいです。
THE BLUE HERBは比較的ぼそぼそしゃべる系のラッパーなので、クリーピーナッツ・ライムスター・ケツメイシのような明るい雰囲気とは全く真逆のダーティーな雰囲気が漂います。
ぶっちゃけ、私はTHE BLUE HERB少し苦手です。
百聞は一見にしかず、初聴の人はまずは聴いてみて下さい。
R-指定は不良じゃない普通のあんちゃんラッパー
『Rの異常な愛情-或る男の日本語ラップについての妄想-』に、こんなエピソードがあります。
Rー指定がハンバーガー屋でバイトしていたときのエピソード。
チーズバーガーにチーズを入れ忘れて同僚の女子高生に怒られて、バイトを辞めてニートになった。
何ですかこのしょうもないエピソード。
チーズバーガーにチーズ入れ忘れること自体まずアレですけど、それを叱られてバイトを辞めるという何とも大人げないというか短絡的というかしょうもないというか。
でも「え~、そんな一面もあったんだ~」なんて思わせないのがR-指定で、「はは、なんかR-指定っぽいなこのエピソード」と思わせてくれるのがR-指定。
当然会ったこともなければ連絡を取ったこともありませんが、リリックの雰囲気やラジオでの雰囲気から、「この人はたぶん本来人が備えるべき日常生活の能力を削ってラップに全振りしてしまったんだな」と思わせる何かがあって、チーズバーガーのエピソードもすぅ~っと受け入れられる男なのです。
例えばZeebra・KDUB・D.O・TOKONA-Xみたいに不良オーラ全開のラッパーとは対極に位置するラッパー、それがR-指定なのです。
不良っぽい雰囲気を纏ったストリート育ちのラッパーではなく、身近な雰囲気があるのは間違いなくR-指定の魅力のひとつでしょう。
「普通のあんちゃん感」はリリックからも感じられて、親近感が沸くんですよ。
『だがそれでいい』なんか聴くと、親近感・普通のあんちゃん感がよく伝わってきます。
ガチガチ不良のストリート育ちラッパー達の物騒なリリックも確かに好きですが、クリーピーナッツのように自分たちの弱さとかカッコ悪さとかを隠すことないリリックも魅力的なんですよね。
まとめ:R-指定は凡人の皮を被った天才
クリーピーナッツの楽曲を知らない方、まずは曲を聴いてみて下さい。
これであなたも立派なクリーピーナッツ中毒です。
そしていつしか、MCであるR-指定という男そのものも気になり始めるはずです。
そしたら今度は『Rの異常な愛情-或る男の日本語ラップについての妄想-』を読む。
これですっかりR-指定とヒップホップにどっぷりでしょう。
R-指定はリリックの中で自分を卑下というか謙遜しますが、聴けば聴くほどに知れば知るほどに彼の非凡な才能とセンスに気づかされます。
変態で天才な普通のあんちゃん、それがR-指定。