突然ですが皆さん、Rー指定という男をご存じですか?
そう、今をときめく2人組ヒップホップユニット「Creepy Nuts(クリーピーナッツ)」のMCでございます。
クリーピーナッツにすっかりどハマり、R-指定のラップスキルとリリックセンスにどっぷりです。
で、そんなR-指定さん本も出版しています。
その名も、『Rの異常な愛情-或る男の日本語ラップについての妄想-』。
今記事ではこの本を中心にR-指定について書いてみます。
クリーピーナッツはR-指定とDJ松永の二人組

クリーピーナッツはMC:R-指定(あーるしてい)とDJ松永(でぃーじぇーまつなが)の二人組。
R-指定はロン毛でヒゲな怪物MC
ロン毛にヒゲ、どう考えてもサラリーマンじゃないだろうなっていう見た目の方がR-指定です。
ラジオを聴いていると仲間内からは「アール」と呼ばれているみたいです。
- 大阪府堺市出身
- 1991年9月10日生まれ
- MCバトル全国大会優勝(3連覇)
- 怪談話マニア
- 黒いTシャツか黒いパーカーばかり着る
ラップのスキルもスゴイし、何よりリリックがものすごく魅力的なんですよ。
ラジオ聞いていても、物凄く頭の回転が速いしフリートークがめちゃくちゃ面白い。
一方でオシャレには全く興味がないらしく、いっつも黒いTシャツか黒いパーカーばかり着ています。
DJ松永は好青年風な毒舌凄腕DJ
- 新潟県長岡市出身
- 1990年8月23日
- DMC WORLD DJ CHAMPIONSHIPS 2019優勝(世界一)
- 潔癖性
今記事にDJ松永はこの項目以外登場しません。
っていうのも、DJの経験もなければ知識も全くない私。
正直なところDJのスゴさっていうのが全くわからないんですよね。
楽器やってない人間が、バンドの演奏技術よりもボーカルに注目してしまうのと同じ。
ラジオでのトーク聞いていれば毒舌だけど頭の回転のいい人だなってのはよくわかります。
これはラジオで話していたのですが、中々の記憶力の持ち主。
- 電話番号
- 口座番号
- クレジットカード番号
- かつて住んできたアパートの全住所
電話番号と住所はまあわかるとして、口座番号とクレジットカード番号まで暗記してるってスゴイですよね。
『Rの異常な愛情』からにじみ出るR-指定のヒップホップ愛とオタクっぷり

冒頭で紹介した通り、R-指定は本を出しています。
タイトルは『Rの異常な愛情-或る男の日本語ラップについての妄想-』。
結論から言えば、クリーピーナッツやR-指定好きならば確実に読むべき1冊。
R-指定のヒップホップへの愛が随所にあふれ出ていて、それと同時に彼のヒップホップオタクっぷりの凄まじさに驚愕することでしょう。
肝心な本の内容は、R-指定が原稿を書き下ろしたものではありません。
とあるトークイベントの内容を文字に起こしたもの、本というよりは議事録みたいな雰囲気ですね。
R-指定に比べれば屁みたいなレベルですが、私自身もヒップホップが好き。
そんな私はR-指定と年齢が近く、知っているアーティストや楽曲も多く登場するので共感ポイントも多くありそして何より懐かしい。
1987年生まれ周辺、ヒップホップ好きには是非読んで頂きたい一冊ですね。
- ヒップホップとの出会い
- 影響を受けたアーティスト
- R-指定の人間性
本の内容はざっくり書けばこの3点なんですが、ラップに関する知識量がハンパじゃない。
- 「あのアルバムのあの曲のあのリリックが~」
- 「あの頃はこんな楽曲が流行っていて」
- 「あのリリックはきっとこんな解釈で~」
まあすごいです、読んだらわかります。
間違いなく変態です。
R-指定の怖いくらいのヒップホップ愛と、尋常じゃない記憶力に驚かされます。
なか卯屋で聞いたSOUL’d OUTが「R-指定」ヒップホップ人生の始まり

中一のとき、家族で訪れたなか卯でR-指定のヒップホップ人生は始まります。
店内BGMで流れてきたSOUL’d OUTに衝撃を受け、以来ヒップホップにどっぷり。

運命の出会いってどこにあるかわかんないもんだね
R-指定がSOUL’d OUTファンであることは『オールナイトニッポン』リスナーであれば周知の事実。
SOUL’d OUTは普通にカッコイイアーティストなんですが、当時はKDUBがディスっていたこともあってヒップホップ好きの友人達には何だかファンと言いにくいアーティストだったような気がします(失礼)。



SOUL’d OUT。
リリックの意味はよくわからんけど聞いていて耳が気持ちいいんだよね。
何はともあれ、店内BGMにSOUL’d OUTをチョイスしたなか卯さんはファインプレー。
もしあのときSOUL’d OUTが流れていなければ、クリーピーナッツもR-指定も存在しなかったかもしれません。
ちなみに、Rー指定によるDiggy-MO’(ディギーモー)モノマネは傑作、めちゃくちゃ似ています。
YouTubeに動画が落ちているので、気になる方は是非検索してRー指定によるDiggy-MO’モノマネを堪能して下さい。
R-指定が影響を受けたアーティストが自分とドンピシャ


この本にはR-指定が影響を受けたヒップホップアーティストが数多く登場します。
- Zeebra
- SHINGO★西成
- 餓鬼レンジャー
- 般若
- THE BLUE HERB
- RHYMESTER
登場するアーティストが、1987年生まれの私にとっては皆ドンピシャ。



おお~!
めっちゃ聞いてた!懐かしい!
当然Rー指定もその辺のラッパーの影響は強いようで、クリーピーナッツの楽曲は「この辺感」が強いんですよね。
まず私がクリーピーナッツの楽曲始めて聞いた感想は、リリックの雰囲気が「RHYMESTER」っぽい。
特にRHYMESTERの影響はめちゃめちゃ受けてますよね。
私がなんでクリーピーナッツやR-指定を好きなのかなと考えると答えは単純明快、自分の好きなアーティストをR-指定も好きだった。
心地良さやかっこよく感じるポイントが似ていたんだなと感じます。
↓この2枚は私もかなり聞きまくった大好きなアルバム。
THE BLUE HERBは難しい
R-指定が崇拝する「THE BLUE HERB」、リリックが難解すぎて当時10代の私には全く理解できませんでした。
R-指定の解説によれば、ブルハは韻の踏み方が上級者。
小節の最後や語尾で韻を踏んでいくのが定番なライムですが、THE BLUE HERBは小節途中で韻を踏んでいく。
そしてリリックの内容も壮大。
クリーピーナッツやケツメイシ・ライムスターが居酒屋だとしたら、THE BLUE HERBは一見さんお断りの作法やマナーに厳しい格式高い洋食屋さんって印象ですね。
R-指定の考察を読んでいるとなんとな~く理解できるような気がして、久しぶりにCDを探し出して聞いてみたけどやっぱりよくわかりませんでした。
R-指定がTHE BLUE HERBを聴くとき、部屋を閉め切って歌詞カード片手に正座しながら聴くらしいです。
Rー指定の変態っぷりとオタクっぷりが伺い知れるエピソードです。
R-指定はどちらかと言えばイケてないあんちゃん


この本を読んでいると、こんなエピソードがあります。
Rー指定がハンバーガー屋でバイトしていたときのエピソード。
チーズバーガーにチーズを入れ忘れて同僚の女子高生に怒られて、バイトを辞めてニートになった。
何ですかこのしょうもないエピソード、全然不良っぽくないしイケてない男。
でもそれがR-指定で、彼の魅力なんです。
ラッパーと言えばゴリゴリ不良のイメージが強い中、Rー指定は全然不良上がりじゃない普通のあんちゃん。
不良っぽい雰囲気を纏ったストリート育ちのラッパーではなく、身近な雰囲気があるのは間違いなく魅力のひとつでしょう。
「普通のあんちゃん感」はリリックからも感じられて、親近感が沸くんですよね。
ダーティーもホワイトも愛すグレーなラッパーR-指定


ヒップホップって不良なイメージありません?
- Zeebra
- KDUB
- D.O
- TOKONA-X
挙げればキリがないんですが、クリーピーナッツは全然不良系じゃありません。
ガチガチ不良のストリート育ちラッパー達の物騒なリリックも確かに好きですが、クリーピーナッツのように自分たちの弱さとかカッコ悪さとかを隠すことないリリックも好き。
- ケツメイシ
- RHYMESTER
ケツメイシやライムスター、リリックの雰囲気はこの大御所2組に似ているなと感じます。
どちらかと言えばカッコ悪い・庶民的な部分を表現するリリックが魅力的なんですよね。
R-指定自身も本の中でこんな感じの事を言っています。
- 自分たちはアングラなラップ・世間に受けそうなラップの両方を当たり前に聴いてきた世代
- アングラなラッパーに世間受けしそうなラッパーがディスられているのも聴いていた世代
- そのどっちの魅力も知っている世代
まさにその通り。
私自身もアングラでダーティーなラップも好きだったし、トップテンチャートに入るようなラップも普通に聴いていた世代なんですよね。
で、R-指定はそのどっちともつかないようなグレーな雰囲気。
それは決してハンパということではなく、そういう個性のラッパーなのです。
ちなみにケツメイシのケツノポリス2は私的に超名盤、大好きでめっちゃ聞いてました。
クリーピーナッツをもっと知りたきゃラジオを聞け


クリーピーナッツは楽曲自体も好きなんですが、どハマり理由のひとつにラジオがあります。
「クリーピーナッツのオールナイトニッポン0」。
これがまじで面白い、オールナイトニッポンなのでどんな内容かは想像がつくでしょう。
下ネタがめちゃくちゃ多いし、しょうもない話ばかり。
気の置けない仲間と居酒屋でバカ話で盛り上がっているかのようなあの感じ。
ラジオを聴くとお二人の頭の回転の速さと人間性がよく分かります。
◆今夜も生放送◆
— Creepy Nuts (@Creepy_Nuts_) November 10, 2020
【番組名】
ニッポン放送
「Creepy Nutsのオールナイトニッポン0」
【放送日時】
毎週火曜日 深夜3:00〜4:30
【ハッシュタグ】#cnann0
【公式HP】https://t.co/9xCOyRLKKR pic.twitter.com/joPLXq79L1
放送時間は深夜3:00~4:30という普通のサラリーマンには厳しい時間帯。
私もリアルタイムでは聞けないので、Amazon musicのポッドキャストで楽しんでいます。
著作権的な問題なのか、ポッドキャストでは途中で流れる曲やゲスト参加の時間帯はカットされていて丸々聞けるわけではありません。
まとめ:R-指定は凡人の皮を被った天才


クリーピーナッツの楽曲を知らない方、まずは曲を聴いてみて下さい。
そしてハマってきたら『Rの異常な愛情-或る男の日本語ラップについての妄想-』を読む、そしてラジオを聴く。
これであなたも立派なクリーピーナッツ中毒です。
R-指定はリリックの中で自分を卑下というか謙遜しますが、聴けば聴くほどに知れば知るほどに彼の非凡な才能とセンスに気づかされます。
クリーピーナッツは現在、フルアルバムは1枚しか出していません。
アルバムタイトルは『クリープ・ショウ』。
とりあえずクリーピーナッツの曲を聴いてみたいなら、収録曲数の多いフルアルバムがいいかもですね。
Creepy Nutsの意味
そういえば、「クリーピーナッツ」ってどういう意味だかご存じですか?
直訳すれば、「Creepy=不気味」「Nuts=ナッツ」で「不気味なナッツ」。
ただまあ、本当の意味はこういうことじゃあないんですよね。
気になる方は[Creepy Nuts スラング]と検索すると答えがわかるかもですね(情熱大陸の真似)。
いかにも彼ららしいイカしたネーミングセンス。