人生の1/3は睡眠。
つまり、人間が活動に充てられる時間は残りの2/3だけ。
しかもその2/3のパフォーマンスも睡眠の質に大きく左右される。
人生は睡眠に支配されているといっても過言ではないのです。
そこで今回紹介したい本は『スタンフォード式最高の睡眠』。
睡眠について知りたいならまずはこの1冊でしょう。
今記事は『スタンフォード式最高の睡眠』のレビュー記事になります。
スタンフォード大学のスゴイ方が著者

スタンフォード大学。
正直な話、アメリカのどこに?偏差値は?何の分野に強いの?
スタンフォード大学についてはこの記事を書くまでは詳しく存じ上げておりませんでした。
ネットで調べるとなかなかの大学であることがあっという間にわかりました。
- 世界大学ランキング上位
- ラリー・ペイジ輩出校
- スポーツチーム各競技強すぎ
ちなみにラリー・ペイジっていうのは、Google共同創業者の一人。
やべえ人じゃん。
著者:西野精治という男
今回紹介する『スタンフォード式最高の睡眠』の著者は西野精治さん。

西野精治さん?
誰だ?
西野精治さん、肩書がすごい。
- スタンフォード大学医学部教授
- スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所所長
- 睡眠研究歴30年以上
いやー、ビビりますね。
医学部教授な上、研究所の所長さんですか。
さて、著書の肩書により本の信憑性がものすごく増したところで本題に入っていきましょうか。
日本は睡眠不足が多い国


この記事を読んでくれている方はほぼ100%日本人でしょう。
皆さん、睡眠は充分足りていますか?
というのも、日本人は「睡眠不足症候群」の人が諸外国に比べて多いというデータがあります。
100万人規模の統計によれば、日本の平均睡眠時間は6.5時間。
同じくフランスは8.7時間、アメリカは7.5時間。



うん、日本人寝てないね。
この本が日本で売れる理由がよくわかります。
ちなみに私はほぼ毎日9時間以上寝ている幸せ者の一人。
『スタンフォード式最高の睡眠』読む必要ないじゃんってツッコミはおやめください。
ショートスリーパーは遺伝


短時間睡眠でも全然OK、絶好調!
こんな人のことをショートスリーパーなんて呼びますよね。



活動できる時間が増える!



ショートスリーパーになりたい!
もしも睡眠時間を削っても絶好調であれば、本来睡眠に充てていた時間を別なことに割ける。
訓練してショートスリーパーになりたい!
というのは残念ながら無理なようです。
ショートスリーパーというのは遺伝子レベルで決まっている先天性の才能。
トレーニングや根性でどうにかなる問題ではないのです。
この本を読んで最も衝撃を受けた内容のひとつであります。
ショートスリーパーではない方、おとなしく人生の1/3を睡眠に捧げましょう。
睡眠の重要な役割は主に5つ


先ほどは日本人の多くが睡眠不足ということを書きました。
ではそもそも睡眠不足による悪影響は何なのか?
例えば日中のパフォーマンスの低下。
眠い・気分が悪い・集中できない・・・。
まあ、こんなものは体験すれば教授の解説がなくても皆感じることでしょう。
そうではなく、本書では医学的な睡眠不足の影響について解説されています。
まず睡眠の重要な役割はこの5つ。
- 脳と体に休息を与える
- 記憶を整理して定着
- ホルモンバランスを調整
- 免疫力を上げる
- 脳の老廃物を除去
逆に考えれば、睡眠不足とはこれら5つのことがなされない、あるいは不足するということなのです。
当たり前ですが、睡眠不足のメリットなんて皆無ですね。
睡眠で最も大事なのは最初の90分


本書を読んでいるとしつこいくらいに書かれています。
「睡眠で一番大事なのは最初のノンレム睡眠90分」。
なぜか。
それは最初の90分に最も深いノンレム睡眠に入ることが良い睡眠の条件であるから。
実はこの最初の90分が睡眠全体で最も深い眠りであり、ここさえしっかり深く眠れれば睡眠の質は格段に上がるのです。
ちなみに、ノンレム睡眠・レム睡眠を簡単に言えばこういうこと。
- ノンレム睡眠:脳も体も眠っている睡眠状態
- レム睡眠:脳は起きているが体は眠っている睡眠状態
この2つの睡眠状態を繰り返しながら私たちは眠っているのです。
最初の90分(ノンレム睡眠)は黄金タイム
なぜ最初のノンレム睡眠90分が黄金タイムなのかというと、この3つが最大限発揮されるからなのです。
- 自立神経が整う
- グロースホルモンが多く分泌される
- 脳のコンディションが良くなる
1番と3番は何となくわかります。
2番の「グロースホルモン」って一体なんだ?ってかんじですよね。
簡単に言えば、細胞の成長・新陳代謝促進・皮膚の柔軟性アップ・アンチエイジングなどの役割を果たすホルモン。
若々しく、生き生きと生活するためには重要そうな印象です。
このグロースホルモン、最初のノンレム睡眠90分に70~80%も分泌されこれ以降は大きな分泌がないそうです。
最初の90分で深いノンレム睡眠が出現しなければ8割方分泌されないのです。
なんじゃこの欠陥ホルモン。
黄金の90分について、詳しくは本書で。
睡眠圧の解放も最初の90分
睡眠圧の解放も多くは最初の90分に解放されます。
睡眠圧というのは、要するに睡眠欲求のことで「寝たい」という欲望のこと。
睡眠圧をしっかりと解放してやることで、睡眠の満足度も上がり日中の眠気ともオサラバです。
さ、ここでも登場した「最初の90分」。
睡眠を始めて最初の90分にいかに多くの要素が詰まっているか何となくでもご理解頂けたでしょうか。
概ねこのようなことが本書では解説されています。
最初の90分の睡眠がどうだったかは体に聞け
本書を読んでいると「最初の90分が大事」ということが執拗に書かれています。
読了する頃には、睡眠無知だった私でも不思議と知識として刷り込まれていきます。



とにかく最初の90分が大切だ!
- 最初の90分が大切な理由
- 最初の90分を充実させるために
ただですね、いざ寝てしまえば最初の90分が良い睡眠だったのかどうかが全く分かりません。
脳波を測定すればわかるのでしょうが、そんな環境で普段寝ている人なんていません。
つまりですね、大事な最初の90分の睡眠の質がどうだったか?
この答えは自分自身の体調で確認するしかありません。
これが睡眠問題の難しい部分ですね。
明確な理論や方法を知っていたとして実践できるのか?
実践したとして正しい成果を得られているのか?
結果はでているのか?
この辺は自分の体で人体実験しながら確認していきたいと思います。
上質な睡眠と寝付きに重要なのは体温と脳のOFF


「睡眠で一番大事なのは最初のノンレム睡眠90分」、このことは先ほど説明しました。
ではその黄金の90分を深くしっかりと眠るにはどうしたら良いのか?
重要なのは主にこの2つ。
- 深部体温と皮膚温度の差を縮める
- 単純作業で脳を使わない
実践できるかはともかく、まずは知識として知っておくのが大切です。
深部体温と皮膚温度の差を縮める=入浴が最強


良質な睡眠に重要なこと。
それは「深部体温と皮膚温度の差を縮めること」。
まず言葉の意味ですが、深部体温というのは内臓など体内部の温度のことで、皮膚温度とは体の表面の温度のことです。
「深部体温と皮膚温度の差を縮める」にはどうすればよいのか?
詳しい解説は本書にまかせるとして、結論を書けば「寝る90分前に40℃の風呂に15分浸かる」。
私も最近実践していますが、確かに入浴後に少し休憩して布団に入ると寝つきも良く翌朝の目覚めも快適。
医学的な話は抜きにして、体がポカポカしてリラックス。
こりゃあよく眠れるわけですよ。




単純作業で脳を使わないことが大事
これは感覚的にわかるし体験したことがあるかもしれません。
考え事をしていると寝付きが悪いことありませんか?
基本、スムーズな入眠には何も考えないこと、脳を使わないことが重要。
ただまあ、何も考えるなと言われて何も考えない事ができるかと言えばそんなことないですよね?
特殊な修行でも積んでもいない限り相当難しいです。
なので、脳が極力考えないように睡眠に入るまでをパターン化してしまうことを本書ではススメています。
が、それが案外難しい。
結局布団に入ってもすぐに眠れなければ色々考えてしまったり、スマホいじったり・・・。
いくら睡眠研究のスゴイ方がオススメしていてもできないもんはできない。
難しいこと、無理なことは諦めましょう。


まとめ:人生を豊かにしたいならまずは睡眠


人生の1/3を占める睡眠。
この睡眠について一度しっかりと真剣に学んでみるのは決して無駄な時間ではないはずです。
良質な睡眠は間違いなく人生を豊かにします。
睡眠について知りたいなら、今回紹介した『スタンフォード式最高の睡眠』はとってもオススメ。
良質な睡眠を得るための医学的根拠、方法、また良質な睡眠の効果。
この辺のことを詳しく、かつ医学的知識に乏しい私のような人間でも充分理解できるようにかみ砕かれて書かれています。
小難しいホルモンの話とかは興味なければ読み飛ばしてもOK。
そんな知識がなくとも良質な睡眠にたどり着けるように構成されています。
睡眠時間を削ってでも読んどけ。
とは言わないよ。
無理なく、空いた時間に読んで見て下さい。
- ランチ後に眠くなるのは・・・
- 会議で眠くなるのは・・・
- 寝酒は睡眠に必ずしも悪影響ではない?
トリビア的な要素もいくつかあり、知ると誰かに話したくなること間違いなし。