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【ブラックアウト体験談】電気のない日々と日本人の真面目さ【防災グッズ】
2018年9月6日未明の大地震をきっかけに発生したブラックアウト。
北海道中が停電するという強烈な体験であり教訓であり、自分の人生の中でも1,2を争う忘れがたい出来事。
そんな体験を通して思ったことはまずコレ。
「電気がないと無いもできん!」
電気が無いことがいかに不便で、電気の力を使えない人間がいかに無力か思い知りました。
- 電気のない生活ってどんな感じ?
- ブラックアウトに備えて何が必要?
今記事では主にこの2点について紹介しています。
体験談を後世に伝えるため。
と言えばカッコイイですが、忘れっぽい自分への備忘録も兼ねてあの世紀末のような日々を振り返ってみます。
何かをキッカケにブラックアウトをふり返る・思い出すことが大事
ブラックアウト発生から早2年以上。
今更なんで突然ブラックアウトのことを書いたかというと、『検証ブラックアウト』という本を読んで当時のことを色々と思い出したから。
- 道民の方は当時を振り返るため
- 都府県の方は北海道で何が起こっていたのかを知るため
- 災害の記録として
ハウツー本ではなく、歴史書的な感じでオススメな一冊です。
人は当たり前のように忘れる
ブラックアウトは強烈な体験であり強烈な教訓。
この出来事は一生忘れない
ただまあ、薄情なもんで時間が過ぎれば忘れていくもの、人間は忘れてしまうんです。
ミスチルの桜井さんも『Tomorrow never knows』で歌っていますね。
忘れるのは仕方ない、ただ忘れたまま過ごしてはどんな体験も無意味。
例えば今回の私のように本を読んで思い出すのも大事なことなのです。
『検証ブラックアウト』は北海道の新聞社がまとめた記録
『検証ブラックアウト』。
著者は「北海道新聞社」(略して道新)。
道民なら耳なじみの新聞社:道新が出版した本で、ブラックアウトの時系列的なまとめから北海道電力(通称:ほくでん)の体質や電力供給網の整備に関する事などブラックアウトの間接的な要因について書かれています。
いろんな道内地域・職種の方のコメントが掲載、多くの人が口をそろえていたこのセリフが印象的です。
「想定外だった」。
読んで思ったのが、というか読む前から心の中に芽生えていた思い「ブラックアウトはほくでんが悪い」。
確かにほくでんが悪いと思える部分もある一方で、実はそんな単純な話じゃないこともよくわかります。
ライフラインは電力会社ではなく国策で強靭化していくものですねこりゃ。
電気の無いブラックアウト生活は丸2日続いた
ブラックアウトしていた時間、これは住んでいる地域によって違いあり。
私の住んでいた家は丸2日間停電状態でした。
自分の家は停電しているけれど、道路向かいの家々は電気が来ていたりと道路一本隔てただけで別世界。
電力供給網の仕組みはよくわかりませんが、同じ市内どころか同じ町内会でありながら道路一本挟めば電気が来ていたり停電していたりと停電時間はマチマチ。
そんなこんなでライフラインの復旧タイミンングももちろんマチマチ、早々に復田して営業を復活したお店もあれば3日以上停電しっぱなしのお店も。
24時間営業のコンビニは最強と思い込んでいましたが、脆いもんで電気がなければ実に無力。
断水なし+ガスコンロ所有で救われた食生活
私の住んでいた地域は幸い断水せず、シンプルに停電のみ。
- 水道水が出る
- ガスコンロが使える
- 米の在庫が家にあった
この3つは不幸中の幸いで、電気がなくとも食事はできるもんなのです。
特に土鍋でご飯を炊けたのはとても大きかった。
水を使えるのが、熱源があるのがいかにありがたいことかこんなに痛感したことはありませんね。
ブラックアウトという特殊な環境も相まって、土鍋で炊いたご飯は実に美味。
キャンプで食べるご飯が美味しいように、不便な環境でありがたくいただくご飯の美味しさに出会えたのはブラックアウトが与えてくれた数少ない良き思い出でしょう。
アウトドア大嫌いインドア外食派のあなた、いつ来るかわからぬブラックアウトに備えて米・鍋・コンロ・水は最低限家に備蓄しておくべし!
まじで命を救うのは財力や知識じゃなく、栄養とカロリーを摂取するスキル。
IH→ガスコンロ切替が激増
そういえば、ブラックアウト当時は丁度マイホーム購入のため日夜打ち合わせをしている時期でした。
ハウスメーカーの営業さんによれば、ブラックアウトをキッカケにIHコンロからガスコンロに切り替える人が激増したらいしいです。
もちろん我が家もガスコンロにしたよ
IHコンロ派は譲れないって方、せめてカセットコンロとそのガス缶は常備しておくべし。
ブラックアウト中に熱源がないのはかなりキツイです。
照明のないツラさはキャンプ用品が役に立つ
停電中に不便を感じたことランキングの上位にまず挙げられるのが照明、暗い・見えないことがいかに不便で不安なことか。
当たり前なのに、暗いと見えないことをすっかり忘れていました。
家の中はもちろん外灯も消えているしコンビニも真っ暗、ご近所さんの窓から漏れる光も皆無。
本当にここは21世紀の札幌市なのか?と疑える程に本当に真っ暗、まさにブラックアウト。
で、そんな照明がなく真っ暗な中役に立ったのはキャンプ用に買った電池式の照明×3台。
照明が複数台あるのが重要で、独り暮らしならともかく同居する人がいるなら複数台は必要です。
照明が一つしかないと、その一つを持って誰かがトイレに行くと部屋は途端に真っ暗になり食事もままなりません。
最低限、同居家族の人数分は照明を確保したいところです。
充電式・電池式のライトを複数準備しておくべし。
現在我が家の停電時使えるライトは3つ
現在我が家で停電時に使えるライトはスマホを除いて3つ。
- ホーマックのLEDハンディライト
- スノーピークのガスランタン
- コールマンのLEDランタン
防災用というよりはキャンプ用に購入したものですが、防災用としても頼りにしています。
ホーマックのLEDとスノーピークのランタンは下記記事参照。
コールマンLEDランタンは超オススメ
コールマンLEDランタンは超おすすめ。
- コンパクト
- 明るい
- 吊るせる
- バッテリーロック機能
バッテリーロックというのは、使わないときに電池を物理的に端子から離して放電や液漏れを防ぐ機能のこと。
電池が単一4本という頼りになる反面、意外と手痛い出費と重量はこのランタンの短所ですね。
我が家はキャンプでもガンガン使っていますが、壊れることもなく現役バリバリ。
屋外でも使えるタフさはありがたい。
スマホの照明は極力使わない(バッテリー温存)
スマホ、例えばiPhoneだと照明マークを押すとハンディライトのように使えます。
ただし、有事の際のスマホを照明として消耗するのは非常にもったいない。
- 情報収集
- 連絡手段
思いつくだけでもスマホには重要な仕事が2つあり、そのためにも充電は無駄に使ってはいけません。
カップルに照明をあげた思い出
そういえば思い出しました。
停電初日、家の近所の若めのカップルがスマホのライトを点けて外を歩いていたところに遭遇したときのこと。
話しを聞くと家に照明がないからスマホのライトを使っているというではありませんか。
いや、スマホの充電減らすのまずくないか?
一つライトあげるよ
ということでね、我が家のライトを一つプレゼントしたんですよね。
あのカップル元気かなと、ふと思い出しました。
電気(コンセント)を必要としない暖房器具は必須
ブラックアウトに関して、マジで助かったのは停電が9月上旬で寒い季節じゃなかったこと。
これは道民みんなが思っていたことでしょう。
当時、家にコンセントを必要としない暖房器具は皆無。
これがもし真冬だったら間違いなく水道は凍結して水道は使用不能。
そうなれば停電が直った後も、北海道中で水道管凍結・水道管破裂地獄だったでしょうね。
もちろん人間自身も凍えるような寒さの中厚着して生活、自宅なのに肉体的にも全然リラックスできない環境で疲弊すること間違いなし。
ブラックアウトの経験が大きく影響して、我が家は2019年秋に灯油と電池で動くレインボーストーブを購入。
防災意識は当事者にならないと正直他人事。
2019年に購入?
遅くない?
ブラックアウト当事者でありながら、2018年の冬は丸腰で過ごしたんですよね。
電源不要の暖房は絶対に準備するべし!
スノーピークのレインボーストーブはぶっちゃけ高価。
ブランドにこだわりがなければ、トヨトミ製のレインボーストーブがお求めやすいです。
信号機が消えても道路が大混乱しなかった理由は日本人の真面目さ
大体の信号機は消灯、札幌市って北海道の中では一番の都市だけあって交通量も多ければ信号も多い。
そんな街で信号機が動いていないって物凄い出来事ですよね。
道民の地域性なのか、強引にオラオラと交差点を進む車は皆無、少なくとも私はそのような車を見ませんでした。
あまりに譲り合うもんで、車はたくさんいるのに交差点に車が全く進入しないという不思議な現象も。
ま、事故るよりはその方が全然いいんですけどね。
みんな恐る恐る、チョロチョロと交差点に進入。
譲り合いの気持ちと思いやりは忘れるべからず。
日本人の真面目さ謙虚さを改めて認識する出来事
ブラックアウト中は給油もままならない
ブラックアウトでもう一つ市民生活を直撃したのがオイルショック。
ガソリンスタンドに長蛇の列が出来ていたのを横目に、燃料がほぼ満タンな車を運転していた私です。
幸運なことが取り柄な私、ブラックアウトの少し前に燃料を満タンにしていて燃料難民にはならずに済みました。
北海道は高速道路を含め道路が何キロも渋滞することなんてまずありえない、そんな北海道でガソリンスタンド目当てに何キロも渋滞。
割り込みもなく並んで待つ日本人の国民性を誇らしく思う。
北海道は札幌市といえど所詮クルマ社会、自動車は生活に直結する道民に欠かす事のできない足なんですよね。
そもそも停電で公共交通機関が運行停止、仮に運行しているにしてもその情報が把握できないような環境。
そんな環境であれば自動車に頼らざるを得ない、そのために燃料確保が急務。
燃料補給は後回しにせず余裕を持つべし。
こまめな給油はしないけど意識は変わった
じゃあ自分は今現在どんだけこまめに給油してるのかというと、正直そこまでこまめに給油はしていません。
たまに言われる「燃料が半分になったら満タンに給油」、少なくともこれは全く守っていません。
給油ランプが点くまで攻めることはなくなりましたが、残量目盛りで言うと最後の一目盛り前には入れるようになりました。
え?それ余裕のある給油か?
それから、ちょっとだけですけど意識も変わりました。
眠いし給油めんどいな・・・
明日にすっか
よし!
めんどいけど今給油しちゃおう!
果たしてこれが防災意識と言えるのか厳しいところですが、給油を後回しにすることはなくなりました。
ま、何もしないよりはよしとしましょう。
ブラックアウトでキャッシュレス決済使用不能
ブラックアウトに見舞われて少ししてから近所のコンビニにお買い物に行くと既に大行列。
なんでかなと思っていると、レジが使えないために従業員が電卓で計算、そりゃレジ進まんわ。
そんな状態でも皆ちゃんと列に並んで買い物していたのは印象的
日本人好き
レジが使えないってことは電子マネー・クレジットカードも使用不能。
しかも停電によりレジが開かないからおつりはなし。
ブラックアウト当時の我が家は現金とキャッシュレスの比率が半々、割と給料日直後だったこともあり現金が手元にあり買い物するには何とかなりました。
完全にキャッシュレス化していた人達はどうやって買い物したんだろう
キャッシュレスは便利でお得なんだけど、それは「平穏なことが条件」でこそ便利なシステムと気づかされましたね。
キャッシュレス派も現金は手元に用意しておくべし。
自分の生活環境に合わせた防災意識でいい
ここまでブラックアウトの体験をもとに思ったことや必要だと感じたモノを紹介してきました。
防災グッズという意味では、今回紹介したものでは全然足りていません。
例えば食料や水も備蓄しておくことは確実に必要です。
TVでも専門家が「●日分の水と食料を~」なんて言っていますからね。
ただですね、私も当時アパート暮らしをしていましたがそんなもん備蓄しておく収納なんてない、まじでない。
- 自分のもの
- 家族のもの
- 仕事のもの
- ペットのもの
私は荷物の多いタイプではありませんが、アパートの収納を「充分すぎる広さだ」なんて思ったことは一度もありません。
そこへ来て防災のためにあれやこれやと準備するのは物理的な問題で無理。
更に言えば防災に備えて色々と備蓄することはタダではできません。
基本的にモノを購入しなければならず、無責任に「防災グッズ揃えろ!」なんてことは言えません。
まずは「できる範囲」での防災意識でいいんじゃないでしょうかね。
無料でできる避難場所チェックくらいはしておきましょうね。
まとめ:ブラックアウトを風化させないために
「たった今から3日間、ブラックアウト状態でも生きていけますか?」
この問いにYESと即答できる人は今の日本に一体何人いるでしょうか。
日本は地震・台風・津波と色んな災害を経験していますが、すっかり忘れている人は多いでしょう。
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」。
正直言うと自分もそのタイプ、更に言えば自分に直接被害の無かった出来事はぶっちゃけ他人事。
忘れることを責めてもどうにもなりません。
じゃあどうするか。
メディアでもなんでも、影響力のある人やツールで風化させないようにするのが大事なのです。
このブログもそう、この記事であの「電気のなかった日々」を少しでも思い出してもらえれば幸いです。
災害はいつ来るかわからんぞ、まじで。