『そこのみにて光輝く』レビュー!家族愛ゆえの厳しい現実【ネタバレ】

先日観た『そこのみにて光輝く』のレビュー記事になります。

プライムビデオにて鑑賞でございます。

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『そこのみにて光輝く』テーマは家族愛とリアル(ネタバレあり)

並んで歩く二人
引用元:映画.com

以降、ネタバレも含むのでご注意を。

芥川賞候補に幾度も名を連ねながら受賞がかなわず、41歳で自ら命を絶った不遇の作家・佐藤泰志の唯一の長編小説を、綾野剛の主演で映画化。「オカンの嫁入り」の呉美保監督がメガホンをとり、愛を捨てた男と愛を諦めた女の出会いを描く。仕事を辞めブラブラと過ごしていた佐藤達夫は、粗暴だが人懐こい青年・大城拓児とパチンコ屋で知り合う。ついて来るよう案内された先には、取り残されたように存在する一軒のバラックで、寝たきりの父、その世話に追われる母、水商売で一家を支える千夏がいた。世間からさげすまれたその場所で、ひとり光輝く千夏に達夫はひかれていく。しかしそんな時、事件が起こり……。

引用元:映画.com

舞台は北海道の函館市。

観てハッピーな気分になれるタイプの作品ではございません。
どちらかと言えば気分の落ち込む作品です。

テーマは「家族愛と現実」かな(たぶん)。

『そこのみにて光輝く』の舞台は函館、魅力は全無視

函館の街並み

作品の舞台は函館。
私自身住んだことはありませんが、旅行では何度も訪れたことのある非常に魅力的な街です。

道民はもちろん、道外からも観光地として非常に人気ですよね。

  • おいしい活イカ
  • 函館山から見える夜景
  • 市電の走るレトロな街並み

『そこのみにて光輝く』では、そんな函館の魅力は一切登場しません。

美味しい海鮮も出なければ、登場人物が漁業関係で働いていることもありません。
なんせ二人の主人公はニートと造園業、ヒロインは売春。

何で函館を舞台にしたんだ?レベルで函館らしさは登場しません。

どちらかというと、函館の闇の部分が垣間見れます。

函館に限らず、よっぽどの大都会以外にはあてはまるであろう狭いコミニュティ故の弊害。

これが地方都市のリアルなんでしょう。

寝たきりの父と介護する母、家計を支える子供たちという家族構成

海を歩く家族

今作品の主人公の一人である拓児(菅田将暉)。
彼の底抜けに明るい性格とは真反対に、家庭事情は非常に悲壮感漂うギリギリの生活をしています。

拓児は仮釈放中の身。
地元でかなりの権力者っぽいコワモテの社長の下、日雇いで造園関係の仕事をしています。

拓児の父親はあるとき脳梗塞を患いその後遺症で寝たきりに。
しかもなぜか性欲だけ爆増するという謎の状態。

この「性欲だけは爆増」と言う要素がこの映画の胸糞悪さを生んでいます。

母親はそんな父親を性欲も含め介護する毎日。

そして今作品のヒロイン千夏(池脇千鶴)は拓児の姉。
千夏は売春をして家計を支えています。

そして、拓児の雇われ先の社長であるコワモテ社長の愛人でもあります。

このコワモテ社長、かなりのクズ野郎。

なんだこの狭い世界。

発破の仕事で部下を亡くした達夫(綾野剛)

綾野剛と菅田将暉
引用元:映画.com

今作品で拓児(菅田将暉)とともに、もう一人の主人公が達夫(綾野剛)。

達夫は元々岩石を破壊する発破の仕事をしていましたが、部下を亡くしたことをきっかけにその仕事から遠ざかります。

不慮の事故っぽいのですが、現場監督であった達夫は強く責任を感じ発破の仕事から離れたようです。

で、函館に越してきてダラダラと人生を過ごしていたところ、パチンコ屋で拓児と偶然出会います。

そしてある日、拓児の家に遊びに行ったところで姉の千夏に出会い恋に落ちるのであります。

パチンコ屋で出会ったロクデナシから始まる恋。

感想1:拓児、というか菅田将暉が魅力的

狂気を感じる演技
引用元:映画.com

この作品の魅力の一つはまず拓児、というか菅田将暉がとても魅力的。

拓児は見た目からしてロクデナシだし、素行も良くないんだけどなんか憎めない人懐っこい性格。

  • 歯が汚い
  • 服装が雑
  • 人目を気にしない性格

生い立ちを説明しなくても拓児初登場シーンで生活環境がソッコーで理解できます。

初登場シーンでその存在感を出すあたり、菅田将暉ハンパないですね。

終盤でコワモテ社長をタコヤキのピックで刺すシーンは動き・表情から鬼気迫るものを感じました。
普段ヘラヘラニコニコしている拓児も、姉を侮辱されて怒りがピークに達した瞬間です。

この映画を観ているとこのコワモテ社長はマジで腹立つ。
天罰下って欲しい系の人間だったところ拓児の暴挙で視聴者を少しだけスカッとさせてくれます。

どうせなら倒れこんだところを、更に蹴り飛ばしてほしかった。

ただまあ、演技派の菅田将暉と言えど函館弁の習熟度はイマイチでしたね。

菅田将暉の体型が役にピッタリ

菅田さん、綾野剛さんに比べてめっちゃ細い。
いい意味ではなく、ひょろい・弱っちいという意味で細い。

拓児の役は間違いなく、マッチョよりもこんな感じの細くて弱そうな体つきが良く似合っていました。

俳優さん、ストイックに体を鍛える方だけじゃダメ。
色んな体型の方がいてこそ作品が魅力的になりますね。

感想2:拓児の家ボロすぎ

薪割り

物語序盤から登場する拓児一家の家。

まぁーボロイ。

函館は北海道の中では温暖な方ですが冬になれば雪も降るし氷点下にもなります。

この家で冬越せるのか?いや無理だろ。

道民としては、ややリアリティに欠ける部分だなあというのが正直なところ。

感想3:厳しい現実と家族思いな拓児一家

談笑する3人
引用元:映画.com

この作品では家族愛が要所要所に表れています。

  • ツライ現実から逃げ出さずに家族と暮らすことを決めた千夏
  • 寝たきりの父親を見捨てることなく家族だけで面倒見る拓児一家
  • 拓児の仮釈放のため愛人になってまで就職先を用意した千夏
  • 千夏を侮辱されてコワモテ社長を殺そうとした拓児

根底には拓児一家の家族への愛を感じます。

しかし、愛ゆえに家族を縛り付けより厳しい方向へと進んでいった気がします。

愛・幸せ・家族って何なんだろう。

感想4:父親の首に手をかけた千夏と直後の涙

涙する女性

この映画のラストは、砂浜で朝日に照らされながら見つめ合う達夫と千夏。

この直前に、千夏は介護に疲れ父親を殺そうとしていたところを達夫に止められます。
で、父親から「ちーなーつー」と呼ばれるところで号泣。

この涙の意味、考えてみたんですけど考えれば考える程悲しい。

  • 父親が自分のことを認識していた喜び
  • 今後もこの生活が続くことへの絶望
  • 父親を殺そうとした自分への失望

私的には、「今後もこの生活が続くことへの絶望」に涙したのかなと思います。

悲しい。

まとめ:菅田将暉と池脇千鶴の演技が素敵だった映画

うつむく女性

家族を思うばかりに厳しい現実から抜け出すことのできない状態。
映画は終始そんな感じで、家族愛は感じながらも決してハッピーにはならない。

観ていて辛くなる作品でした。

愛・幸せ・家族って何なんだろう。

考えさせられる映画でした。

結構暗い気分になるので、できれば明るい時間に観た方がいいかもです。

この映画を観て爽快感や幸福感を感じる方とは仲良くなれない。

菅田将暉と池脇千鶴の演技が素敵でした。

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